コラム

【吉永ブログ04】ピタパンだけでどれだけ語れるか

2024/04/20

日々パン先生からの質問

「ピタパンが膨らみません、どうしたらいいですか」と日々パン先生からの質問。LINEグループで投げかけられたこの質問、私もわかることはお答えするようにしています。
思い出したら出るわ出るわ・・私のピタパン話。自分でも笑ってしまいました。

日々パン先生は全国に288名、そのうち半分ほどがおうち教室を開く資格を持っています。おうちでお伝えできる日々のパンのレシピは現在150種類で、どんどん増加傾向です。

パン作りをしっかりお伝えできるように練習、試作するのが日々パン先生の仕事の一つなんですが、どうしてもうまくいかないことがあります。
そんな時、私たち日々のパンの強みとしては「すぐに聞ける人がいる」ことです。仲間もいますし、事務局にいつでも連絡OK。事務局はベテラン講師がいますので、パン作りも伝え方もお任せ!です。

パンは生き物だから人の話が何より参考になる

パン作りって酵母(イースト)を使うので、同じレシピで作っても100人が作ったら100通りのパンが焼きあがるのがおもしろいところで。
もちろん一定の焼き上がりになるようにレシピは書きますし、日々パン先生は練習してみんな同じように焼き上がるように努力しています。
でも、焼き上がった100通りのパンはどれも美味しいんです。
ふわふわだったりもっちりだったりするけれど、それはそれでおいしいので良い悪いではないと思っています。

室温・粉の温度・仕込み水の温度・手の温度などなど、温度だけでもたくさんあります。さらには粉の種類、焼成器材の種類などなど、一つのパンが焼けるまでの要素はたくさん。
そんな中で、同じように焼かなくてはならないということを考えると、情報交換が有力な手段となってきます。
自分で100通りはできないけれど、日々パン先生は288名いるから、それぞれがどうなったかを聞くだけでめちゃくちゃ勉強になる。
そしてそれを人に伝える練習、これも大事。そして心意気。自分のところに情報は止めておかない。これが日々のパンの文化となっています。これは本当に私たちの強みだなって思います。

私はこうやってうまくいったよ、を共有することで日々パン先生たちは強くなっています。

そんな私のピタパン話・・

ピタパンとはポケット型のパンで、春になるとたくさん野菜など具を詰めてピクニックに便利です。お子様がたくさん具を詰めてもこぼれない!我が家でも重宝しました。
諸説あるようですが歴史は長く古代エジプト時代に生まれた初めてのパンという話も。
焼成時に出るガスでパン生地の中が空洞になるという仕組みなので、高温で焼くことが大切です。
うまく高温になっていないと、一部ぷくーっと膨らんだり、ぺたんこのままだったりします。

もう10年以上前に担当していたパンクラスで一気に30名分のピタパンを焼成しなくてはならないことがあり、仕組みはわかっているつもりでみんなで息を合わせて熱々の天板に生地を並べてもらって・・とやったのですが、
焼成中不安でオーブンを覗いていると、すべて膨らまなかったという失敗がありました。

コース制の講座で半年間ご一緒できので別時間にリベンジさせてもらい、事なきを得ました。
当時の参加の生徒様には申し訳なかったですが、講師の立場としては経験させてもらえてよかったなと思いますし、日々パン先生たちにも伝えたいなと思います。
どうしても生きているものを扱っているので、思ったようにいかないことはありますが、あとはなんとかする力!ですね。
最低限のレベルはあるものの、こうでなくてはならない、は一旦頭の隅に置くといいかもしれません。

今なら30人分全部を一気に焼こうなんて言われても断って、他の方法を考えるだろうなとも思います。ありがたいことにたくさんの経験を積ませてもらい、みなさんに還元できていることを幸せに思いました。
パンについて話せると、講師としてはそれが強みになっていくと思うのですが、パンの歴史とか材料についてはもちろん、こうした実体験を伝えられる講師、とても魅力的ですよね。その先生にしか語れないこと。自分の家族の中でのピタパン話、それが語れるのが日々パン先生の良さだと思います。

ピタパンは365withで5月にお伝え予定です。膨らまないんだよなー、という方はぜひご参加ください。きっと色々な講師の経験談、工夫を聞いていただけると思います!

そして晴れた日にピタパンサンドを持って、ぜひお出かけください。

 

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