対談インタビュー
吉永麻衣子×矢橋尚子(大東製糖株式会社)
「家族に安心して食べさせられるものを」
素焚糖でつなぐ親子の時間について、できたてドーナツを食べながらお聞きしました
大東製糖株式会社
矢橋 尚子さん
―はじめに、「日々のパン」との出会いについてお聞かせください。
矢橋:吉永先生が「日々のパン」の活動を紹介してくださった時、お土産にいただいた「麻衣子のMy粉(「日々のパン」のオリジナルミックス粉)」に、弊社代表取締役の木村が興味を持ちました。自宅で小学生のお子さんと一緒にパンを焼いてみたところ、本当に簡単に美味しいパンが焼けて感動したそうなのです。
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吉永:嬉しい!どうもありがとうございます!
矢橋:その話を聞いて、私も自宅でパンを焼いてみました。短時間で簡単にできましたし、ちょっとしたアレンジを楽しむこともできました。バターシロップを作ってかけたり、チーズをのせたり、平たくしてピザのようにしてみたり。シンプルなレシピだからこそ、自分で工夫できる余地があるというのが良いと思いました。
―「日々のパン」プロジェクトへのご協賛の経緯や理由をお聞かせください。
矢橋:「日々のパン」のレシピで実際にパンを焼いてみて、自分の体験として「これはいい!」と思ったことが、ぜひ協賛したいと考えた理由のひとつです。 素焚糖を製造するうえで、その根本には「自分の家族に安心して食べさせられるかどうか?」という想いがあります。そのことも、「日々のパン」のプロジェクトや吉永先生の想いと通じるところがありました。
吉永:どうもありがとうございます。私もパン作りをする中で、美味しいのはもちろんのこと、安心できる素材を使うことも大切にしています。素焚糖は、私にとってもまさにピッタリの砂糖です。
―素焚糖の特徴や開発に至る経緯についてお聞かせください。
矢橋:素焚糖を開発したのは2001年のことですが、当時の業界では「砂糖は差別化できないもの」という考えが常識でした。でも、日本では年間1人あたり約20kgもの砂糖が消費されると言われていて(2001年当時・現在は15kg程度)、とても身近な調味料です。当時は社会的にも「食の安全」に関心を寄せる人が多くなっていたため、これだけ多く消費される砂糖についても、いろいろなニーズがあるだろうと考えました。
その頃、三温糖の市場が伸びていたのですが、「健康に良さそうなので三温糖を使っている」という主婦の方が多くいらっしゃいました。茶色い砂糖に健康的なイメージを持つ方が多いのですが、三温糖も上白糖と同じ精製糖の仲間で、成分的には上白糖とあまり変わりません。そこで弊社では、さとうきびのミネラル分がしっかり入っていて、そのまま食べて美味しいレベルの砂糖を開発しようと考えました。
吉永:素焚糖を初めて口にした時、まさに「わー!美味しい!」って思いました。
矢橋:そう言っていただけて嬉しいです。素焚糖では、黒砂糖のように主張の強い甘みではなく、他の素材の味を引き立たせるような美味しさを大切にしています。また、口に入った瞬間の舌触りには特にこだわっていて、ぱっと見てもわからないレベルの小さなダマも入らないようにしています。効率を考えれば、ダマを粉砕して製品に混ぜ込むこともできますが、そうすると舌触りに違いがでてしまうのでしていません。
―「素焚糖ドーナツ」のレシピ開発に込めた想いをお聞かせください。
吉永:素焚糖の口あたりの良さには本当に感動したのですが、そんな風に丁寧に作られているのですね。今回どんなレシピにしようか考えている中で、こんなに口あたりの良い砂糖を生地に入れて混ぜ込んでしまうのはもったいないと思いました。パンに入れる食材は、高価なものを使えば美味しくなるというのもあるかもしれませんが、最初に口にあたるものにこそ、とにかく美味しいものを使いたい。そう考えた時に「ドーナツにまぶしたら美味しいし、子どもも大好き。子どもの記憶に残ってくれたら嬉しいな」と思いご提案しました。
矢橋:砂糖の良さって、「簡単に美味しくできる」ということなんですよね。今の時代は、料理もなるべく時短で…と言われたりもしますが、最後にちょっとした工夫をすることでさらに美味しくできる。今回のドーナツも「そのまま食べて美味しい」がコンセプトになっているので嬉しいです。20年以上、「お客様が想像する以上のことをやりたい」という想いで結晶のサイズにもこだわって素焚糖を作ってきましたが、ようやく日の目を見たような気持ちです(笑)
吉永:ドーナツは、おうちで揚げたてが最強に安心で最強に美味しいので、ぜひたくさんの人に楽しんで作っていただきたいです!
―「日々のパン」のプロジェクトには、「財団法人クローバー・スマイルズ・アクト」を通してご協賛いただいています。こちらの活動についてお聞かせください。
矢橋:弊社では2021年に財団法人クローバー・スマイルズ・アクトを設立し、想いに共感できる活動に対して積極的に支援しています。ただお金を出して支援するというのではなく、たとえ現場に立つことはできないとしても、直接運営に携わるような形でサポートできればと考えています。
想いを込めた支援が、どこでどのような形で使われているかを見るのは、意外と難しいものです。でも、今回「日々のパン」のプロジェクトでは、素焚糖を使ってくださるたくさんの人と接することができるので嬉しいです。こうして「お客様を知る」ということは、私たちメーカーにとっても大切なことであり、楽しみにしています。
吉永:どうもありがとうございます。「日々のパン」にご提供くださった素焚糖も、そろそろ教室に届く予定です。ここからまたたくさんの人たちに広がるといいなと思っています。
矢橋:「日々のパン」の良さは、パンの作り方が簡単だからこそ、そこに会話が生まれるというところですよね。コミュニケーションのきっかけとしても素晴らしいと思います。私たちも素焚糖を通して、そのお手伝いができれば嬉しいです。